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新刊

異郷の人間味(ひとみ)

ー架橋する在日外国人

 

日本で活躍する28カ国50人の姿

フォルクローレ/パフォーマンス/民族芸術/カポエイラ/英語落語/太極拳/多文化教育/情報発信/いのちの相談/ペット支援/DJ/人権擁護/フェアトレード/高級チョコ専門店……ほか多彩な人々を紹介する。毎日新聞(大阪版)長期連載中。多文化共生社会へ向けたメッセージ。

第1章       多文化の創造

第2章       学術・教育の現場から

第3章       共に生きる社会のために

第4章       遙かなる祖国を想う

第5章       国境を超える懸け橋とし

 

著者 高賛侑

 装丁 林眞理子

四六版 並製 226頁 定価1890円(本体1800円+税)

2006年10月10日発行

発行所 東方出版(株)

              〒543―0052   大阪市天王寺区大道1―8―15

              TEL 06−6779−9571 FAX06−6779−9573

★ご注文・ご意見などは下記にご連絡下さい。

〒544−0033 大阪市生野区勝山北5−10−3 高賛侑
TEL/FAX 06−6712−1669
メール kochanyu@hotmail.com
 

 


目 次

 

第1章 多文化の創造

舞台・路上でフォルクローレ もっとアンデス音楽広げたい  アントニオ・カマケ/ペルー

国際的に舞台広げる「鬼才」 湧き出るイメージのまま表現  アンドレ・デュプレッシ/フランス

激流の時代を乗り越えて 音楽家がたどった光と影  ウラディミール・スミコフスキー/ロシア

神“技”で世界大会連続優勝 超有名人らが絶賛の拍手  金昌幸/在日朝鮮人

舞踊はわたしの命 中国各地の民族舞踊を舞う  胡紅侶/中国

東洋芸術をアジアへ、世界へ 音楽のシルクロードを拓く  コンリン/中国

黒人奴隷が創った文化 「原点」忘れず普及したい  シルヴィオ・アマンシオ・デニス/ブラジル

英語落語で爆笑を起こす ギャグを考えるのが大好き  ダイアン吉日/イギリス

大地や水の音を出す歌声 チベットに小学校七校建設  バイマーヤンジン/チベット

水墨画・太極拳・気功の達人 芸術文化と社会福祉をつなぐ  李鴻儒/台湾

 

第2章 学術・教育の現場から

ロシア映画の変遷を見つめて 崩壊から再建へ明るい展望  

                        アレクサンドル.ディボフスキー/ロシア 

聖書を原点に西洋文化を理解 困ってる人に愛をあげたい  石黒マリーローズ/レバノン

ポルトガル語が飛び交う学校 外国人の子の教育に支援を  クレオニセ・ゴエス・西/ブラジル

なぜ「部族」と呼ぶのか 尊厳踏みにじる蔑称に怒り  ゴードン・C・ムアンギ/ケニア

教育の偉大さに気づいて フィリピンでワークキャンプ  

                     フランシスコ・マルティン・ディエス/スペイン

一四○年続く外国人の社交場 子どもたちは世界に羽ばたく  フリッツ・レオンハート/ドイツ

「民際」が「遺伝資源」守る 途上国の文化や誇りに理解を マノジュ・L・シュレスタ/ネパール

中・台・日に心の橋を 学校は華僑の精神的支柱  林同春/中国

研究テーマは在日コリアン いまだに残る法的差別  

                     リングホーファー・マンフレッド/オーストリア

政治とアートの関係を研究 力合わせれば社会も変わる  

                     レベッカ・ジェニスン/アメリカ国籍・京都住民

太平洋の島々に熱い想い 地球全体を考えて欲しい  ロニー・アレキサンダー/アメリカ

 

第3章 共に生きる社会のために

携帯電話で五言語の情報提供 スペイン語でミニコミ誌も発行  アルバ・ロベルト/ペルー

台湾・北京語で「いのちの相談」 勇気や自信を取り戻すために  伊藤みどり(梁碧玉)/台湾

捨てられた動物の命を守る 最良の伴侶を探してあげたい  エリザベス・オリバー/イギリス

大阪弁丸出しの巧みな話術 笑いの中に辛口の社会批評  サニー・フランシス/インド

放送を通じて人と人を結ぶ 夢は両国をつなぐ仕事  大城ロクサナ/ペルー

命懸けでベトナム脱出 助け合いの組織を作ろう  グエン・テ・フィ/ベトナム

悩みを描いたミュージカル 大変でもユーモアを忘れず  斎藤ネリーサ/フィリピン

祖父母の誇りを子どもらに 日系ブラジル人の生活相談も  松原マリナ/ブラジル

神の教えは現世で実践 外国人の人権擁護に奔走  マリア・コラレス/スペイン

悩める外国人女性のために 太陽になり温めてやりたい  三輪イルマ/メキシコ

在日外国人へ生活情報提供 多文化を互いに尊重し合って  メレデス・長谷川/オーストラリア

第4章 遙かなる祖国を想う

ペットの命と健康を守り 危機に瀕した祖国を憂う  ウェルク・テコラ/エチオピア

スラムの子らに生きる希望を 絵本贈り日本文化伝える  川井ピラヤット/タイ

贈り物は豊かな「心」 子どもの教育に誠を尽くす  川島カンピー/タイ

反アパルトヘイトの詩 故郷に車椅子三七○○台  トーマス・C・カンサ/南アフリカ共和国

自ら悲惨な戦争を体験して 戦争・大震災の被害者を救援  バハラム・イナンル/イラン

難民認定求めて訴訟 独裁政権援助やめて  マウンマウン/ビルマ

声が祖国で放送される誇り 外国人にもホストの場を  松尾カニタ/タイ

傷ついた祖国の実態を世界に 平和な国へ進んでいきたい  ラジィ・サタル/アフガニスタン

第5章 国境を超える懸け橋として

至福の世界旅行の案内役 八回乗船し三五カ国訪問  エリック・エレフセン/ノルウェー

中日間の橋渡し役 草の根の民間交流こそ大切  王克良/中国

国際派の立場生かして 在日と共同作業する環境を  キラン・S・セティ/インド系アメリカ人

フェアトレードでお洒落を 途上国の生活と環境守る  サフィア・ミニー/イギリス

映画には人間を変える力 心の糧となる名作を上映  パトリス・ボワトー/フランス

高級チョコ専門店の三代目 八○年の伝統と独創的な味  バレンタイン・モロゾフ/ロシア

るつぼの役割担うベルギー 異なる意見の尊重が大切  ベルナルド・カトリッセ/ベルギー

日本映画を専門に評論 「七人の侍」はサイコー!  マーク・シリング/アメリカ

アラブと日本の懸け橋に 能を世界に広げたい  マドレーヌ・ジャリル・梅若/レバノン

ネパール文化を世界に発信 生活習慣の違いを受け入れて  ラジャ・スタピット/ネパール


まえがき 

 人間って、みな同じだなーー。

 人間って、こんなに多様なのかーー。

 この二年間、各地の在日外国人を訪ね歩いてきた私の胸には、相反する二つの想いが錯綜しています。

 私は一九九九年に毎日新聞阪神版「ひょうご随想」欄に寄稿して以来、長期連載を担当してきました。翌二〇〇〇年には「異郷暮らし(タヒャンサリ)」欄が設けられ、各分野で活躍している在日韓国・朝鮮人の人となりを隔週で大阪版と阪神版に書き続けました(『異郷暮らしーー在日する韓国・朝鮮人の肖像』(毎日新聞社)と『ルポルタージュ 在日&在外コリアン』(解放出版社)に収録し刊行)。

 四年間、七九人におよんだ取材過程で芽生えてきたのが「では、他の在日外国人はどんな暮らしをしているのだろう」という問題意識でした。

 かつて在日外国人といえば、九割以上が韓国・朝鮮人でした。しかし時代の変遷とともに他の外国人が急増し、今や二百数十万人に達しています。

 国際化の進展にともない、外国人はなくてはならない存在になりました。しかし他方では、外国人犯罪が過剰にクローズアップされるなど、誤ったイメージが流布されている実情を見逃すことはできません。

 こうした問題は、世界各国から来日した、それぞれ異なる立場の人々を「在日外国人」という名称で一括りにするために派生するのではないか。ならば、外国人一人一人を個々の人間として見つめ直せば、違った視点からアプローチすることができるのではなかろうか、という関心が高まってきたのでした。

 取材対象者の枠を全ての在日外国人に広げたい、という私の提案を毎日新聞社側は快諾して下さいました。タイトルも「異郷の人間味(ひとみ)」と変更した新連載は、大阪版と阪神版で二〇〇四年四月にスタートしました(〇五年四月以後は大阪版のみ。隔週日曜日掲載)。対象者を選ぶ基準は、定住外国人、および長期間の滞日外国人としました。

 本書には第一回から二年間に掲載した五〇人の方々の記事が収録されています。国籍別(又は民族別)に分ければ、世界五大陸の二八カ国が網羅されています。

 「これだけいろんな国の人をどうやって探し出したのか」と、よく質問されます。私自身、以前はもっぱら在日同胞社会にばかり関心を寄せていたため、他の外国人の知人はごく限られた人しかいませんでした。

 しかし探せばいるものです。いや、私たちの身近にはたくさんの外国人がいるのに、目を向けようとしなかったことが不自然だったのです。人づて、マスコミ、インターネットなどを通じて情報を集めると、次々とユニークな外国人に出会うことができたのでした。

 これらの人々はみな、同じ人間として、また同じ在日外国人としての共通点があります。と同時に、それぞれ異なる環境で生まれ育ち、異なる事情で日本に住むようになったという差異点もあります。

 私は取材活動を進めながら、他国の人々の歴史や文化についてあまりにも無知だったことを思い知らされました。そして彼らの生き様を通じて多くのサプライズと感動をいただくことができました。

 まずは知ることが第一歩です。読者の皆さんが在日外国人の実情に対する認識を深めるために、本書が入門書としてお役に立つことを願うものです。